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2026.8.27

「小一の壁」を検証する-就学の社会学

酒井 朗(編)

発行所(住所)勁草書房
(〒112-0005 東京都文京区水道2丁目1番1号)

出版年月:2025年2月

ISBN:978-4-326-25182-7

判型:A5 248頁

価格:2,700円+税

 「小一の壁」という言葉は、共働き家庭などで、子どもの小学校入学をきっかけに仕事と子育ての両立が難しくなる問題として知られている。本書では、この問題を保護者の就労支援だけにとどめず、子どもが学校に「就学する」とはどのようなことなのか、また、そのことを学校と家庭がどのように支えているのかという視点から検討している。保護者への調査をもとに、登下校や放課後の生活をめぐって保護者が日常的に経験している困難や、学校から家庭に求められるさまざまな役割にどのように対応しているのかなど、小学校入学後の日常に生じるさまざまな負担や調整を描いている。学校で子どもを教えることは、家庭の生活や保護者の働き方とも深く関わっている。日々子どもや保護者と向き合っておられる先生方にも、学校と家庭との関係をあらためて考えていただく一つの材料になれば幸いである。

酒井 朗(上智大学)

2026.8.26

支援ニーズを抱える子どもと向き合う教師の「判断」:エスノグラフィーでよみとく教師の専門性

小田 郁予(著)

発行所(住所)学文社
(〒153-0064 東京都目黒区下目黒3−6−1)

出版年月:2026年3月

ISBN:9784762034732

判型:A5 320頁

価格:4,400円+税

 「毎朝、先生が教室にいて、時間になれば授業が始まる」 ——そんな学校のあたりまえは、教師たちの絶え間ない判断によって支えられている。本書は、筆者が5年間、「みんなのおべんきょうをおてつだいしてくれるせんせい」として学校に通いながら見つめてきた、多様な支援ニーズを抱える子どもたちと、迷い悩みながら実践を重ねる教師たちの姿を描いたエスノグラフィーである。保護者対応や同僚との調整など、複数の要請の中で、支援員や司書教諭ら多様な大人たちとともに判断を積み重ねる教師たちの日常の姿を、8つの事例から描き、教師の専門性を関係や状況の中で生成される営みとして捉え直す一冊である。会話分析やディスコース分析、ナラティブ分析、エピソード記述などを重ね合わせ、学校の日常を分厚く描き出したエスノグラフィーから、教師という仕事の複雑さとそれを支える思考のあり方、実践の尊さを感じていただけたら幸いである。

小田 郁予(都留文科大学)

2026.7.17

〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践

寺町 晋哉(著)

発行所(住所)晃洋書房
(〒615-0026 京都市右京区西院北矢掛町7番地)

出版年月:2021年8月

ISBN:978-4771-035164

判型:A5 214頁

価格:2,500円+税

 性別によって個人の生き方や可能性が制限されることがないように、ジェンダー平等を目指す教育を進めることへ異論のある人はいないだろう。目指すべき「正解」は明確にある。にもかかわらず、教師がジェンダー平等を目指す教育の「担い手」となることには様々な困難が伴い、場合によってはジェンダー平等を目指す教育が停滞してしまう。なぜなら、教師もジェンダーに影響された〈人生〉を歩んでいるからだ。本書は、ジェンダー平等を目指す教育実践において、教師の人生が巻き込まれることで生み出される困難や戸惑いを明らかにし、これからのジェンダー平等を目指す教育実践のあり方を考察している。

寺町 晋哉(宮崎公立大学)

2026.3.05

教師になる 校長として生きる
-小学校長20人のライフスト-リ-とTEAによる叙述と分析-

五十嵐 誓(著)

発行所(住所)学事出版
(〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-2-5)

出版年月:2026年3月

ISBN:978476193104-9

判型:四六版 254頁

価格:2,700円+税

 本書は,小学校長(以下,校長)の教職人生について幼少期から辿り,教職人生の多様性を叙述するとともに,その傾向性を明らかにし,学校ビジョンの基盤となる校長の信念の形成過程について考察することを目的としている。

 序章では,学校経営において「校長の信念」に着目する意義と,研究の枠組みについて提示している。また,第1章では校長20名のライフスト-リ-を配し,主として教職人生を叙述し,第2章ではTEA(複線径路等至性アプロ-チ)により,その傾向性を明らかにする。両手法の特長を生かすことで,目的に迫ることを試みている。終章では,教職人生を4期に分け各期の特質と,校長の信念の形成過程について総括している。

 校長をはじめ管理職を含む現職の教師,研究者,教育行政担当者,教職志望学生はもちろん,教育に関心のあるすべての方々が,教職に対する理解を深めるための一書となることを企図している。このため,たとえば目次を参考に,気になった校長の教職人生からお読みいただくなど,読者諸氏の関心に応じてご参照いただければ幸いである。

五十嵐 誓(尚絅学院大学)

2025.7.12

11のライフヒストリーにみる家庭科教師の成長

家庭科の授業を創る会(編)

発行所(住所)東京学芸大学出版会
(〒184-8501 東京都小金井市貫井北町4-1-1)

出版年月:2025年7月

ISBN:978-4-901665-68-1

判型:A5 193頁

価格:2,300円+税

 本書は、家庭科教師らが集うグループ「家庭科の授業を創る会」のメンバーが綴った11のライフヒストリーを掲載するとともに、メンバーが互いのライフヒストリーを読み合った記録を分析し「家庭科教師はどのように成長するのか?」「家庭科教師は自他の成長にどのようにして気づくのか?」という問いに答えることを試みたものである。

 第1部ではこれまでの家庭科教師の成長とライフヒストリー研究について概観し、本書の核となる第2部では11名の家庭科教師のライフヒストリーを掲載する。また、第3部ではライフヒストリーの読み合いから得られた気づきについて質的に分析し、メンバー間の気づきの共通点や相違点、授業観の問い直しとその契機、家庭科の男女共修化の意義、そして人生と授業がどのように重なり合うのかなどのテーマを掘り下げる。さらに、ライフヒストリーを活用したワークショップの実践についても紹介する。現職教員のみならず、教員向け研修や大学における教職課程の担当者にも役立つ一冊である。

瀬川 朗(鹿児島大学)・若月温美(東葉高等学校)