日本教師学学会 第10回大会 レポート

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記念すべき日本教師学学会第10回大会に参加して考えたこと


新潟大学教育学部附属幼稚園 近藤和徳

 日本教師学学会に参加させていただいたのは,第7回大会からである。先輩教師に誘われて参加してみた。参加するまでは正直なところ,「自分は教育現場の実践者であり,研究者ではないから学会に出る必要などないのではないか」と強く思っていた。まして,自分が先輩と共同研究し,自由研究発表の場で実践を報告することなど想像すらできなかった。
  Kondou_20090228.jpg今回の第10回大会に参加して,強く感じたことが2つある。
 1つ目は,取り組んでいる実践を事例研究として報告することにより,自分自身が,「成長する実践者」になっていくのではないかということである。実践研究では,自分の問題を明確にして改善の計画を立て,それを共同研究者と振り返り,さらに実践を見直していく。このようなサイクルは,教育現場に携わる者なら日々行っているが,研究的方法を用いてデータを通して行うところに日々の実践との違いがある。この作業は,時間的,精神的な難しさを伴うが,実際に取り組んでみると,このことが「実践者」として何よりの財産となっていると感じている。
  2つ目は,各大会で多様な自由研究発表が行われており,多くの実践者が継続して研究に取り組まSoukai20090228.jpgれていることが自分にとっては刺激と励みになっていたということである。自分は学校教育現場に身を置いているが,発表者の中には,看護教育に携わっている方や学習塾経営者の方,教育行政の方,大学教員など多種多様な立場の方がおられる。あたかも学校教育だけが「教育の場」と考えがちであった自分にとっては,「教育」ということを広い視点で捉える機会となった。さらに,継続して何年も取り組まれている方々の努力や熱意にただただ尊敬の念をいだくようになり,自分もがんばらなくてはと勇気づけられた。
 日本教師学学会の大会は,1年に1回ではあるが,自分の日々の実践の中では少なからぬ影響を与える存在となっていることに,この学会の偉大さを感じている。
(ニューズレター『エデュモ』No.24より転載)